プロダクトとしての食器ではなく
食を楽しむ光景からデザインする。
企画・開発部
松原 貴志
多くの人と、多くの人に届く
食器づくりの醍醐味。
私はかれこれ20年以上、食器のデザインに関わってきました。その上で、光洋陶器で働く面白さのひとつは「多品種の量産化」にあると思います。作家のように1点にすべてを注ぎ込むのも作り手の醍醐味でしょう。でも私は、一般食器やカフェに特化したもの、さらにはホテル向けのハイエンド品など、年に800を超える幅広い新商品を設計し、何千何万という単位でいかに高品質に作り上げるかを考え、生産するこの仕事が好きです。また、営業や製造といった、設計以外のプロと一緒になって企画できる喜びも、決して一人では味わえません。
エンドユーザーとともに
生み出すプロダクトもある。
記憶に残る製品はいくつもあります。なかでも最近は「ORIGAMI」というバリスタ専用のコーヒーカップに大きな手応えを感じました。
ORIGAMI OFFICIAL SITE : http://-origami-kai.com/
普段の仕事は社内のチームで完結することが多いのですが、この仕事はプロのバリスタに直接ヒアリングし、二人三脚で作り上げたプロダクトです。お客さまからの評判も高く、中国のバリスタチャンピオンが世界的な大会で採用したことで話題も集めました。業界経験が長いと、つい既存の常識にとらわれがちですが、まだまだ食器の可能性は広がっているのだと背筋が伸びた製品でした。
食器はあくまで道具。
一皿への想像力が重要。
この仕事をするうえで、不可欠な要素があるとすれば「食への好奇心」ではないでしょうか。時折「とにかく絵を描きたいんです!」というデザイナー志望の方もいますが、多くは長続きしません。
私たちがデザインする食器は、あくまで食事の道具。どんな人に使ってもらうのか、どんな料理が盛り付けられるのか、どんなお店で並べられるのか。具体的なテーブルシーンが描けないと、独りよがりな製品開発になってしまいます。エンドユーザーの声を拾いつつ、料理の奥深さに触れつつ、幅広い製品づくりに携わりたい人に、ぜひ来てほしいと思います。